続 夏目友人帳 第10話「仮屋」

家を乗っ取ろうとする妖怪を追い払うのが、表向きのストーリーとなっているわけですが、その妖怪が過去にレイコと関わっていたことから、むしろ夏目が彼女について深く知ることに主眼が置かれた話。
おじの回想として語られるレイコの孤独な境遇や、事件の後、おじと疎遠になった理由を夏目が理解することで、同じように異能の力を持ちながらも周囲の人々に支えられている自分の境遇のありがたみを改めて知るのが良い話でしたよ。嘘を嫌って距離を置いたレイコと、理由を問われずに受け入れてもらえる夏目の対比が印象的でした。
作画的にもかなり力が入っていて、冒頭のニャンコ先生の細かい仕草や妖怪の非人間的で不気味な動き等々、いつもの落ち着いた雰囲気を残しながらも細かいところまで手の込んだ作り。特に異常を感じた夏目が階段を降りる様子を、踊り場にカメラが置かれたことを想定し、彼の移動に合わせて視点を動かして追いかけるカットは独特な存在感があって、物語が異常な事態を迎えたことを、作画の変化によって印象づける演出となっていたように思いました。