とらドラ! 第23話「進むべき道」

日頃の感謝を込めてチョコを配る大河と受け取る友人たちみたいな和やかな雰囲気が、修学旅行での嘘が発覚することで一転、実乃梨が竜児と大河に詰め寄る急展開。これまで押し込められていた感情が一気に噴き出す場面となっていて、作画的にも激しい動きと険しい表情が付けられて、少し大げさに思えたりもしましたが、緊張感のある話の流れに合わせつつ、さらにそれを高めるものとなっておりました。
実乃梨のために身を引こうとする大河と、大河の本心を知るが故にそれを受け入れられない実乃梨、そして大河の気持ちを尊重するという理由を付けて決断を先延ばしにしていた竜児と、あいまいなまま続いていた3人の関係が表面化するということで、そのような決着を迎えるのかに期待。はじめは竜児の嘘に合わせようとしていたものの、途中から事態の決着をはかるべく扉を固める亜美と北村がいい仕事をしておりました。
竜児と大河の進路問題も気になるところで、堂々とニート宣言をする大河には呆れ半分に笑ってしまいましたが、自分を認められずにやりたいことも見つけられないという言葉に、竜児の件をはじめとする彼女の抱える問題が集約されているように思えたり。
竜児が母親のために就職を選ぶのは、大河の意向に従って修学旅行の件をなかったことにするのと同様に、彼の主体性のなさが現れているところで、この二つの問題に彼が決断を下すことが物語の上で重要な意味を与えられている模様。母親が倒れ、実乃梨の意志が語られることで、問題が明確に突きつけられているわけですが、未だに彼自身の意志が見えてこないのには、とにかくがんばって欲しいなと。
母親の件で珍しくテンパってる竜児を、大河が励ますのは心に染みる場面。これまで竜児に支えられてきた大河が支える側になるということで、二人の絆の強さが改めて描かれていましたよ。ここまで来てるのにそこから先へと進まないことにやきもきさせられるわけだけれども、二人がそれぞれの問題を解決しその先へと進むことに期待。
亜美が大河のために学校に残ったというのは、嘘ではないんだろうけれど、理由の全部ではないんだろうなと。一人に好かれるだけでよかったという独り言が切ないですよ。
バレンタインへの憎しみをぶつける独身の人はあいかわらず。春田が彼女持ちになっているのは意外すぎで一体何があったのかと。