宇宙をかける少女 第12話「虚ろなる巨像」

ミラー泥棒の捕り物からレオパルドとベンケイの因縁、そしてネルヴァルによるコロニー群の掌握と、どうでも良さそうな事件から、コロニー同士の子供じみたバカバカしいやりとりを経て、気づいたら主人公たちが危機的状況に陥っているという驚きの展開。
ブレインコロニー同士の妬みと優越感丸出しのやりとりも面白いんだけれども、それと一緒に生徒会のメガネっ子によって語られる持たざる者の悲哀も興味深いところ。彼女がネルヴァル側についた動機を明らかにすると同時に、特に何をしたわけでもないのに単にそういう家系の生まれだからという理由でレオパルドと共にいる秋葉と対比することで、持たざる者と持ちたる者の確執が浮き彫りになっていましたよ。ここら辺は舞-乙HiMEアイドルマスターゼノグラシアにも見られるところで、サンライズ8スタ作品に共通してみられるテーマとなっている様子。
ミラーを集めることがレオパルドの必殺技を無効化しつつ、エネルギーを獲得するための手段となっているあたりは、ネルヴァル側の作戦の周到さが伺えるようになっていてちゃんと考えられているんだなと。相打ち覚悟の攻撃で、レオパルドがちょっとかっこいいところを見せたかと思ったら秋葉たちを放置して逃げるのには笑ってしまったり帽子がキュートだったり。
レオパルドとベンケイが通信する場面が、妙にほのぼのとした絵面になっていたりもして、ギャグタッチの軽い雰囲気とコロニー群が乗っ取られ獅子堂家も大変な事になるシリアスな描写の同居が印象的。全体として躁鬱が激しく統一感がないわけですが、ブレインコロニーたちの振幅の大きい性格を反映しているとも受け取れるところで、意図的な演出のようにも感じられました。