咲-Saki- 第5話「合宿」

合宿回。温泉につかりながら麻雀を打つ話、などと要約すると遊びに行くようにしか思えないわけですが、部長が各人の弱点を分析し、それに対応した練習メニューを用意することで、ちゃんと部活らしくなっていた印象。
まあ算数ドリルはちょっと無理があるんじゃないかとか、あのペンギンは精神面的な安定よりも、むしろ常に重力と戦っている胸を下支えすることで身体面での安定を計るモノなんじゃないかとか、思ったりもするわけですが。
リアルでの麻雀は強いのにネットはからっきしな咲に、リアルではネットほどの成績を上げられない和と、両者が対照的に描かれているのも面白く。卓の外の情報も取り入れて直感で打つ咲と、牌だけに集中しそれ以外はノイズとなってしまう和といったところで、嶺上開花みたいな運頼みの役を得意とする前者とノーマルな手役作りをする後者との違いが、こういったところにも反映されているあたりはよく考えられているなと。
到着してすぐの温泉がショートカットされた時にはバンブーブレードの悪夢の再来かと思ったけれども、そのあとにちゃんと見せてくれたりして、焦らしのテクニックなのかなぁと思いつつも一安心。局地的に発生していた濃い湯気や謎の光線についてはDVDで自然な姿になることに期待する方向で。はだけまくる浴衣も、いつものはいてない感とは別の趣があって大変よろしかったですよ。
説明的な場面でも画面の端でタコスと京太郎がじゃれ合っていたりして常に動きがあるのが楽しいところ。デフォルメ絵の人物や数式記号やチェック模様といったデザイン的な背景が多用されていたのも面白かったけれども、これは省力も兼ねていそうな印象。
終盤に勝てないタコスが拗ねるものの、一年生三人で共にがんばるみたいな雰囲気になるわけですが、3話で咲がタコスにたいして手加減をしたことを踏まえておくと、咲の麻雀に対する意識の変化が感じられるのかなと。滝を見に行った咲と和が決意を新たにするのも良い場面で、県大会を前に清澄高校麻雀部がひとつにまとまる話となっておりました。