東のエデン 第9話「ハカナ過ギタ男」

ニート、英雄として死すの巻。
セレソンに関する重大な秘密、契約の切れた携帯、電話番号だけが書かれたメモ、そして善意で差し入れられたジャージと、何かに導かれるかのように板津が外へと足を踏み出すわけですが、その結果として待っていたのはあっけない死だったという。やる気を出したとたんにコレというのも皮肉な結末ではありますが、あのままズルズルと部屋に籠もり続けるよりは、彼にとって良い人生であったと思いたいところ。
板津の手によって滝沢の潔白が明らかになるのに合わせて、ミサイルを撃ち込んだ張本人と、彼をそそのかす元官僚という二人のセレソンが登場。元官僚の方が、ジュイスに依頼するという選択肢があるにもかかわらず、直接板津に手を下すあたりは判断力と行動力を兼ね備えた冷徹な人物として、かなり手強いことを予感させる描写となっていましたよ。
一番最初に救世主となる、という分かるような分からないような目的が、セレソンたちのゲームの目的にあるわけですが、滝沢と対立する元官僚の登場により、当面の対立軸が浮かび上がってきた模様。ニート既得権益にあぐらをかく上の世代に対するボイコットとして肯定する滝沢と、いかにも主体性のなさそうな青年を操ることでゲームを進める元官僚ということで、先行する世代による搾取とそれによる世代間の格差という問題を扱っていくことになるのかなと。現実世界においてリアルタイムに進行しているということで、扱うのが難しいテーマだとは思いますが、その意欲と物語の結末として示されるであろう解決策に期待。