東のエデン 第10話「誰が滝沢朗を殺したか」

セレソンNO.1にして元官僚の物部の導きによって、ゲームの黒幕やその目的が明らかになる話。主人公である滝沢が追い求めていた謎の種明かしとしては、アッサリとしていたけれども、今度は物部たちの60発のミサイルによる攻撃とゲームを運営するシステムそのものの掌握という目的が明らかになるという急展開。
日本を物理的に破壊して一からやり直す、物部たちのやり方は、単に時間を巻き戻して、今度は彼らが支配する側に回るだけで同じことの繰り返しになるだけに思えるところで、日本を影で支配する人物が作ったゲームのシステムを乗っ取ろうとする行為に、権力の継承みたいなのが象徴されているのかなと。
結局のところ、ゲームの創始者の代行であるサポーターの介入によって阻止され、ミサイルの発射だけが残されて大変なことになるわけですが、システムを変えるためのゲームの中においても、ゲームのシステムを存続させる自己目的化が生じるということで、メタな構造によって、この物語におけるテーマの本質をえぐり出しておりました。
作中の人物たちには明かされつつも視聴者に対しては詳細が伏せられている滝沢が記憶を消した理由も気になるところで、以前のミサイルの時に死者を回避したものの「裏切り」によって精神的なダメージを受けたらしい滝沢が、同じ状況を前に何を為すのかが最終回の見所になりそうですよ。滝沢という人物を通してどのような回答を見せてくれるのかに期待。