咲-Saki-第11話における、部長の悪待ちについてのちょっとした考察

作中でも解説されてるし、麻雀を打つ人にとっては今更なんだろうけれども、個人的にまとめてみたくなったので。
東一局のこのテンパイ。
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1ワンを切れば、36958ピンの5面待ちになるわけですが、まさかの8ピン切りの1ワン単騎待ちリーチ。単純にアガリ牌の数だけ考えても、前者が17枚に対して後者が3枚という圧倒的な差がある上に、
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既に1ワンが場に2枚切れてるので実質残り一枚という状態。ドラなので最低でも50符3翻の6400点あって、5面待ちの最低1300点、高くてせいぜい一発ツモの40符3翻の2600、1300よりは確実に点が高くなるけれども、どう見ても待ちが薄くて観戦者が一様に驚いたり、回想でデジタル打ちの和がかみついたりするのも当然といったところ。
でも他家の手牌を見ると
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5面待ちの時の当たり牌である36958がすべて抑えられていて(上の画像にない残りの9ピンは風越の人の捨牌に6ピンはその手牌に)、アガリ目がほとんどないということで、結果として最善手になっているという。
振り込んだ風越の中堅の人については、
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2ワンが手牌に3枚、場に1枚で、部長の待ちが23の形の1-4でないのが確定。さらに1ワンも場に2枚切れてるので、残り1枚が部長の手の中にある可能性もほとんどなし。高目ツモでハネ満なら1ワン切り勝負は当然といったところで、2枚切れの端牌のドラを持っていたことについても58ピン58ソー13ワン待ちのイーシャンテンなのでおかしいところもなく。まあその結果が裏ドラまで乗って12000点の損失となるわけですが。
追記:回していくなら、とりあえず2ワンを切ってイーシャンテン戻し、次順あたりに一から安牌として出てきそうな8ピンをチーしてペン3ワン待ちの3色赤ドラの3900点に持って行くのもあるんだろうけど、普通はわざわざ待ちを悪く、手を安くする意味がないかなと。振り込みを回避してそんなアガリを見せてくれるのはノーマーク爆牌党の鉄壁くらいなもんで。
1回くらいならば回想で和が言っていたように偶然のみせる幻なんだろうけれども、意図的に悪い待ちにしてアガリまくることを考えると、超能力と言っていいんじゃないのかなと。アガリ目のない多面待ちを回避しつつ、悪系の高目を狙ってアガれるという。
セオリーどおりなら通る牌が通らないので、他家としてはツッパれば当たる、ベタオリすれば自分がアガれずで、風越の人でなくてもお手上げ状態になりそう。裏目らずに狙い通りになるのがフィクションならではだけれども、部長自身の、部員を獲得して団体戦に出場を目指すという分の悪い方にかける生き方とも重なる打ち筋となっておりました。