青い花 第6話「嵐が丘(後編)」

演劇祭当日。泣いてる初等部の子をあやしたりしながら華麗に主役を演じつつ、演劇部の顧問との件もひとつの区切りを迎えるということで、杉本を中心とした話。
演劇部の顧問から感謝の言葉をかけられて杉本が涙を流すのは、珍しく彼女の感情があらわになる場面。聞かなかったことにされ、まともにとりあってさえもらえなかった相手から認められて、感情の昂ぶりを抑えきれないといったところで、なかなか感動的な場面であるわけですが、そこにふみが現れることで複雑なことになるという。
とりあえずは過去のこととして片付けられたわけだけれども、ふみが渡そうとした青い花の花束が、楽屋に放置されたままになっているラストカットは意味深で、この件がこの先も尾を引きそうなことを予感させるものでした。
自然に涙があふれ出し、次第に顔が紅潮していく杉本や、それを見た顧問の教師が見せる慈しむような視線といった細かい表情の変化が絶妙。登場人物の内面を細かく説明したりはしないものの、彼らの心の動きを想像させることで感情移入を誘う作りとなっていて、毎回のことながら、細かいところまで描かれていることに感心することしきり。
声優陣の声を張った演技や、裏方の動きや彼らの視点から画面を見せることで、劇っぽい雰囲気を醸し出していた印象。エドガーとの結婚を決めて思い悩むキャサリンがクネクネと動くあたりも舞台っぽい演技になっていたわけですが、オーバーアクション過ぎてちょっとおかしかったりもしましたよ。
髪をセットする場面で、あきらも杉本の魅力に引き込まれそうになっていましたが、クールさは崩さずにさりげなくスキを見せるあたり、男女の性別を超えた何かがあって、見ている自分も危うくよろめきそうになってしまったり。対象が女なんだから別におかしいことはないはずなんだけど、杉本を見ていて沸き上がる感情は、なんというか女の子に対するそれではないなと。