咲-Saki- 第24話「夏祭り」

追試にお祭と、全国大会を前にした咲たちのささやかな日常を描きつつ、ついでに部長が仕掛けた合同合宿の誘いによって各校のその後も見られるということで満足度の高い話でしたよ。
咲と和が優希の勉強を手伝うあたりは普通に仲の良い三人と言えるものでしたが、祭で転びそうになった和と咲が抱き合う形になるあたりは、百合的な意味でテンションが大いに上がる場面。その後二人が手を繋いでいるのもポイントが高いところで、偶然とは言え咲の方から手を差し伸べるのは、二人の関係の変化を予感させるものでしたよ。
各校が合宿への参加を決めるくだりは、それぞれの個性がよく出ていて面白く。加治木と蒲原が決めながらも部長として睦月が返事を書く鶴賀に、衣にねだられて参加することになる龍門渕、そしてキャプテンが後輩たちに押されてようやく参加を決める風越にと、人物だけでなく部としてのキャラクターもキチンと立っているのがよく出来ているなと。
部長とキャプテンの件は、一方的に想いをため込んでいたキャプテンの方から直接会って話をすることで進展がありそうな予感。時間ある?発言のあとが省かれているのが妄想を刺激するところで、普通に考えれば中学時代に対戦した時の話とかお互いのプライベートの話とかで、まあ良いお友達になるみたいな流れなんだろうけれども、作品の傾向的にそれ以上の展開を想像したくなってしまいましたよ。
雨の図書館での脚を舐めるようなカットをはじめとして、フェティッシュなこだわりの感じられる絵が多いのが素晴らしく。また優希の試験が終わるのを教室の外で咲たちが待つ様子を校舎の外から見せるカットや、夕日の中で部長とキャプテンがちょっとぎこちない会話を交わす場面も印象的。作画的にも力が入っていて細かく動かす一方で、タコス屋での崩した絵や試験後にボロボロになった優希が単色になるあたりのあえて力を抜いた感じも楽しかったですよ。
次回で最終回なので全国大会まで描かずに終わるのは確定のようですが、合同合宿がはじまるということで、賑やかに終わってくれることに期待。
次回予告は複数の作品のパロディ。危険配察知は「兎」、配牌イーシャンテンは「ぎゃんぶらあ自己中心派」、牌に愛された職人は「天牌」といったメジャーどころ。父親を捜す漫画家の「立-Ritu-」も、咲の原作者が主人公という設定の作品で、ネット上でも話題になったので有名かな。全自動卓天和の「バード」はちょっとマイナーですが、マジシャンの主人公と、全自動卓で天和の積み込みを実現するために肉体改造まで行う敵役とのイカサマの応酬と心理戦が熱い作品。天和積みの仕掛けもよく考えられてます。