青い文学 第1話「人間失格 #1鎌倉心中」

名作文学の表紙を人気漫画家が描いたら売り上げ増、みたいな出来事がしばらく前に話題になっていましたが、それを元に表紙を描いた人の絵でその作品をアニメにする企画らしく。今回は太宰治の「人間失格」を小畑健のキャラ原案で映像化しておりました。
見栄で反体制運動に身を投じたり、父親の影に怯えたり、関係を持った女と衝動的に心中を図ったりと、今で言うところの中二病を患ったような青臭い人物が主人公となっているわけですが、彼の抱く閉塞感みたいなものには共感を覚えたりもして、ここら辺が発表から数十年たっても読み継がれている所以かなと、改めて認識させられましたよ。
映像的には、文学という言葉から連想される高尚ぶった雰囲気はなく、生々しく描かれた濡れ場や生きながらえた主人公の見るフラッシュバックが刺激的な表現。物語もテンポ良く進み、歴史のある名作をアニメ化したというよりも、古い時代を舞台にした新しい作品を見ているようでした。
漫画家に表紙を描かせるというコンセプトと同様に、それを踏襲した今回のアニメ化も、古い作品の新しい解釈を見せてくれそうですよ。