君に届け 第4話「噂」

矢野と吉田の悪い噂については、ひとまずは何事もなく落ち着いたかに思われたわけですが、爽子本人が噂の対象になることや、ちょっとした言葉のスレ違いから、三人の間に亀裂が生じるということで重めな話。さらには風早に対しても距離を置くことになったりもして、心ない噂によって、爽子がようやく手に入れた普通を失いかねない展開となっておりました。
直接の原因は噂にあるとはいえ、吉田と矢野との行き違いにしても風早と距離を取ることにしても、爽子がそれぞれを自分の身に余る存在と受け取っていることにも原因があるわけで、謙虚さもここまでくると度を過ぎて卑屈にも思えてしまいますよ。これまでは、その謙虚さが視聴者の同情を誘うものとなっていたわけですが、今回の件でその負の面が浮き彫りにされている印象。最後の場面で、どうしていいのか分からないと迷う爽子が、どのようにそれを乗り越えるのかに期待したいですよ。
噂に対する矢野と吉田の反応は、爽子とは対象的に描かれているわけだけれども、爽子本人の言動についてはあれこれ思い悩むということで、強気な態度の裏にある二人の繊細さと爽子に対する友情の篤さが感じられるところ。爽子を疑う自分が嫌だというセリフが刺さりますよ。