青い文学 第5話「桜の森の満開の下 前編」

坂口安吾による「桜の森の満開の下」のアニメ化。これの前の「人間失格」の方は全体的にくすんだ色調で、内容通りの陰鬱な雰囲気を醸し出していたのに対して、こちらは一転して明るい色合いにギャグあり歌ありで軽めな話・・・かと思ったら、単純な男が奸婦によって狂わされていくみたいな感じで人間の暗部を描き、むしろ血なまぐささでは上回っているという。
男が囲っている女たちを手にかける場面が、間接的な表現を多用しミュージカル仕立てとすることで、下品さを避けつつインパクトを持たせた表現。満開の桜や散る花びらが大変美しく描かれていて、タイトルにも使われ、男の恐れを象徴する存在であるだけさすがに力が入っているように思いました。
主人公を演じる堺雅人の声は「人間失格」の線の細い主人公を聞いた直後のせいか、こちらの豪放磊落といった感じの人物にはちょっと合っていないような気も。俳優として有名な人だけれども「戦闘妖精・雪風」等で声優経験があるので、単に役柄にあってないのかなと。