けんぷファー 第8話「Liebste 〜初めてのデート〜」

男ナツルと雫がデートをするの巻。雫の誘いでデートとなるわけですが、ナツルの方は最後までケンプファーがらみの偽装だと思い込んでいたりして、そこら辺の噛み合わなさがおかしくもあり、思わずTVに向かってツッコンでしまうほどもどかしくもあり。
命令口調でデートに誘い、リードするように仕向けたりする雫は、いつも通りクールで高飛車なキャラクターであることは変わらないものの、時折みせる笑顔がホントにうれしそうで大変可愛らしく。セリフの端々に自分に対する自身をうかがわせながらも、ナツルの気持ちが楓にあることや彼の鈍さを許容する心の広さが魅力的で、久しぶりに二次元に心がときめいてしまいましたよ。気持ちをハッキリと言葉にするストレートさも余計な気を使わなくて済みそうだなと。
にも関わらずナツルの方は、最後まで隠された意図を疑っていたりして、たしかに二人の出会いや、これまでに会長がナツルにしてきたことを考えると、素直に受け取れないのも無理もないところではあるけれども、ここまで気のあるそぶりを見せられても、まったくそれがブレない鈍感さも凄いというか呆れるというか。なんというか女体化能力の対価として恋愛感情やら性欲やらが失われるみたいな裏設定がなければ説明できないレベルにありました。
最後は水琴が乱入したり今度は紅音がナツルとデートすることになったりとケンプファーのバトルはとりあえず置いといて恋のバトルが激化といったところ。初お披露目の紅音の変身バンクは、かなり気合いの入った出来でしたが、バトルがはじまるわけでもないのに何故このタイミングでと思いつつ、やっぱりケンプファーの件よりも恋のさや当ての方が話の本筋なんだろうなぁと思いましたよ。
劇伴の音楽も秀逸。二人の噛み合わないデートに、やっぱりどこか噛み合っていないラテン風や中東風の曲を合わせるのが、コミカルな雰囲気を醸し出しておりました。
雫が「化物語」の戦場ヶ原ひたぎに似ているという話もあるようで、確かに見た目も含めて、いろいろと共通点がある模様。感情をあまり表情に出さない、辛辣な言葉を吐く、主人公をいじるのが好き、主人公を強引に引っ張る等々。
類型としてはツンデレの派生になりそうだけれども、感情は言葉という形でけっこうストレートに見せているわけで、それには収まらない面がある印象。素直クールとかクーデレとかでくくると、今度はサディスティックな面がこぼれてしまうわけで、何か新しい呼び方が欲しいような気もするところ。