とある科学の超電磁砲 第9話「マジョリティ・リポート」

黒子たちによるレベルアッパーの調査が本格的にはじまる一方で、それを偶然手に入れた佐天がその誘惑に引き込まれていく話。
根底にはレベル0者としての佐天のコンプレックスがあるわけですが、手に入れたレベルアッパーを披露するタイミングの一瞬の遅れや偶然取引現場に居合わせたことで無力さを突きつけられること、更に黒子が助けに来るものの彼女の活躍によって、逆にそのコンプレックスを刺激される等々、すべての分岐点をレベルアッパーに近づく方向へと進んでいくのがもどかしかったですよ。軽い気持ちで手に入れた品の危険性を理解しながらも、それの持つ可能性に惹かれていく過程が丁寧に描かれておりました。
これまでの4人で仲良くみたいなほのぼのした話から、それぞれの間にある能力の有無という断絶が重い意味を持ちはじめることで、物語上の転換点になるということで演出的にかなり力が入っていた模様。
前半の斜めに傾いた不安定な画面の多用によって、その後の佐天や彼女を巡る関係の迷走を暗示していたように思いましたよ。黒子の力を見た後、彷徨いながら迷う佐天の心情を、カーブミラーをはじめとする風景に投影し、歩きながら欄干に手を伸ばすという行動によって描いたりするのも印象的で、それらを佐天の視点で描くことで、視聴者に対し彼女の心情を追跡することを促しておりました。
脱ぎ女木山は今回も見事な脱ぎっぷり。同性に劣情云々という黒子のセリフに説得力がありすぎるあたりは、物語が重い雰囲気となる中で笑いを提供してくれました。