けんぷファー 第10話「Falle 〜ひと夏の経験〜」

作品の内容を的確にまとめつつ、視聴者の思っていることまで的確に代弁してくれるハラキリトラさんのナレーションには笑いましたよ。
話としては引き続き、黒幕としての楓が掘り下げられるということで、ナツルを操ったり白のケンプファーとの繋がりが確定したりと、裏の顔を存分に見せてくれました。これまでは、ヒロインたちの中で唯一、男女のナツルが同一人物であることを知らず、ケンプファーの件との関わりもないものとして描かれ、ちょっと影が薄かったりもしましたが、ここに来て物語全体を支配する立場にあることが明らかになったわけで、インパクトのある展開となっておりました。未だに見えてこない、その目的が気になりますよ。
一方で、ラブコメとしての話もちゃんと進めているのも見逃せないところ。ナツルを探す雫、紅音、水琴の三人が、はじめは抜け駆けを警戒して共に捜索する方向に動くわけですが、お互いのナツルに対する気持ちを確認することで別行動を取るあたりは、気持ちを同じくする者同士の連帯感みたいなのが現れていましたよ。
ナツルによる雫押し倒しイベントは、あからさまな露出こそないものの、セリフやら見えないところでの手の動きやらがいやらしくて興奮。ナツルの強気な態度に、受け入れOK状態だったにも関わらず、彼自身の意志でないことを知って中断する雫のプライドの高さがステキでした。途中で背中を向けた臓物アニマルたちの姿が入るあたりは、紅音がキスを迫ったときには妨害した彼らとを対比させているのかと思いましたが、聞くところによるとTVでは流せない場面の差し替えらしく。サービスが増えるのは歓迎だけれども、けっこういい演出だったような気もするので、なかったことにするのももったいないように思いました。
入浴シーンは湯気が凄いことになっていましたが、その進化はソフト化の際に問われるということで。女になっても総受け状態にナツルが可愛らしく、ここら辺の設定は絶妙なものがあるなと。
作画は今回もいい方向で安定しサービス的によろしかったです。また楓の表情が特に印象的ではありますが、他の人物たちの細かい表情づけも丁寧な仕事でしたよ。