けんぷファー 第12話「Weihnachten〜臓物たちの奇跡〜」

臓物アニマルとけんぷファーとの人格が入れ替わる番外編。悪い意味でも良い意味でもヒドイお話でしたよ。
悪い意味では、展開が場当たり的で支離滅裂といったところ。人格交換という定番のネタなのに、入れ替わった者同士を絡ませて、その関係性を掘り下げるわけでもなく。その代わりに人間化した臓物アニマルたちと楓が行動を共にするわけですが、それについても臓物たちが普段ぬいぐるみとして大切にされていることに楓に感謝するみたいな、ちょっといい話に持って行くわけでもなく、ひたすらバカバカしいネタを繰り返すという。中身がハラキリトラになっているナツルに対して、けもの耳がついているから別人だという説明セリフや、生きているって素晴らしい発言、そして某TV番組をパロディであるかぶりつきネタと繰り返しギャグも多用されすぎで、ちょっとしつこかったですよ。まあ臓物アニマルたちがもつ鍋を食べる場面のシュールな会話や、童話を子供に読み聞かせる的な導入から、最後にその一家の正体が明かされるという一発ネタは、けっこう好きだったりするわけですが。
このアニメが中盤以降盛り上がった理由が雫の存在であることを考えると、視聴者の求めているのは、こういうスラップスティックなギャグではなく、ナツルを巡る恋のさや当てだったりするわけで、見る側の求めるものと、作られたものの間にズレがあったように思いました。
良い意味では、ちょっと期待外れな出来だったとしても、「まあけんぷじゃ仕方ないか」と思えるところで、この点はここまで積み重ねてきたユルい作風が功を奏しているのかなと。そういうアニメだと受け入れられる前に、こんな話をやられたとしたら、おそらくついて行けないと思うので。
頻繁に衣装が替わったり過剰なスキンシップを見せたりと、とサービスがふんだんに盛り込まれているのはいい仕事。こんな内容なのに終始作画が安定しているのは丁寧な作りでしたよ。
‥‥‥などといろいろ書いてみましたが、嫌いになれないというか、BDの購入が決定しているアニメだったりします。雫会長最高です。