バカとテストと召喚獣 第4話「愛とスパイスとお弁当」

吉井の赤貧ネタを引っ張りつつ、お弁当イベントによって美波のツンデレぶりが描かれる話。ただ弁当を食べてもらうだけのことなのに、意識しすぎて素直に渡せなかったりする美波の様子が可愛らしくて良かったですよ。
すれ違いを繰り返した挙げ句に美波が弁当を捨てようとするわけですが、そこに吉井が現れ、彼女のささやかな願いを叶えるのがカッコ良くて、あんなバカでも主人公らしいところもあるんだなと。まあ吉井本人にとっては、単に食欲を満たすための行動なので、イマイチ締まらなかったりするわけですが、それがらしいところでもあるわけで。
姫路のお弁当が、食べ物の姿をした何か別のモノだったりするあたりは、ありがちなネタだなぁと思いながらもやっぱり笑ってしまったり。随所に入るギャグの数々もキレがあって面白かったですよ。
内容的にはお約束だったり定番だったりするものの、それを見せるための映像表現はなかなかに個性が強かった印象。人間の視点の高さに画面のワクを固定し(フィックスというんでしょうか)、その中で人物が会話をしたり動いたりする様子を見せるのは独特の味わいがありました。また画面の上に大きな余白をとり、人物の上半身だけを見せ続ける場面もあったりして、おそらくは作画的な作業を軽減するためなんだと思いますが、見た目にも面白い効果を上げていましたよ。噴水の場面で、美波のいる側から彼女と吉井を見せていたはずなのに、一瞬でカメラが切り替わり、吉井のいる側へと視点が移動するのもトリッキーな演出でした。
前回の畳み込むよな演出とは全く異なった作りで、今回は美波を中心にしたちょっと切ない話だったりするせいもあるんだろうけれども、同じ作品でも絵コンテを担当する人が変わるとこれだけ違った物が出来上がるんだなと。ちなみに絵コンテは、あおきえい喰霊-零-の監督を務めたり、SHUFFLE!空鍋演出をやったりした人でしたよ。