デュラララ!! 第4話「形影相弔」

首なしライダーことセルティの当番回。人物像を掘り下げながらその正体が明らかにされるわけですが、当たり前のようにデュラハンだと語られるのには驚きましたよ。これまでに、こういったオカルト的な存在の入り込む余地のある作品世界を匂わせるものはなく、首がないのもロボットだとかトリックだとか、合理的に説明のつくものだと思っていたので意外性がありました。まあ、怪力で自販機を投げる男がいたり、ロシア出身の黒人が寿司屋で働いてたりすることを考えれば、まあ彼女のような存在が混ざっていても、ありのような気がしたりもするわけで。池袋にいる理由が自分の首と一緒に失った記憶を取り戻す、だったりして、妖精なのに動機が妙に人間ぽかったりするあたり、親近感のわく人物となっておりました。
これまでと同じように、セルティという人物を第三者の視点から描く構成となっていて、語り部は彼女の同居人であり世話人でもある岸谷新羅という人物。その語りにはセルティに対する愛着が強く現れているものの、その対象は首のない状態の彼女ということで、この作品の他の人物と同様にかなりひねくれている様子。欠けているからこそ想像する余地があり、余地がある故に完璧といったところでしょうか。
セルティ役の声優は沢城みゆきで、表情の一切ない人物の感情を見事に演じておりました。
2話の語り部が誰であるのかがわかったわけで、セルティの語りとして見ればまた違った発見がありそうですよ。
今回は特にセルティと岸谷の持つ価値観の違いが浮き彫りとなっていた印象。語られる人物と語る人物を中心に話を進める構成が上手く機能しているように思いました。