ソ・ラ・ノ・ヲ・ト 第5話「山踏ミ・世界ノ果テ」

カナタとクレハとノエルの新米三人組が山を登る話。何かの警報装置の動作チェックを兼ねつつ、フィリシアは遠足と言う一方で、リオは訓練と言ったりして、目的がよく分からなかったりもするわけですが、実際の道中も荷物に潰されそうになったり水浴びをしたりで、苦しいんだか楽しいんだかよく分からないという。
最後の装置が発見できずに険悪な雰囲気になりはじめた時には、対立を乗り越えて三人が絆を深める的な展開を予想したわけですが、次の瞬間には装置が見つかったりしてちょっと拍子抜け。やっぱりそういった悪感情を前面に出さないマッタリ路線なのかなと。しかし任務を達成した三人の目の当たりにするものが、ノーマンズランドという名の世界の果てだったというあたりは、皮肉というか、作中に漂う緩やかに終わり行く世界みたいな空気がより濃密になるというか、人間同士の対立なんて小さな事だなぁと思わせるというか。
三人がザックを背負えずに悪戦苦闘する姿や、何とか背負ったものの重さでプルプルする様子がおかしかったり可愛らしかったりしましたよ。それを描く作画も大変力が入っておりました。
冒頭の訓練シーンは、締まらない発射音とおよそ似合わない突撃ラッパのせいで大いに脱力しましたが、タケミカズチの修復状況や、無線機が存在しないという作品世界の文明レベルを知らしめているように思いましたよ。