[その他]ここ最近のGJ部が気になるのは、ユルさ中に男女の距離感みたいなのが隠されているからじゃないかという話。

はじめはよくあるダベりアニメかと思ってて、それはまあ今でもだいたいそうなんだけど、最近の何話かで普通のダベりアニメの枠には収まりきらない何かを感じるようになってきましたよ。
で、何が違うのかと考えてみたところ、それはキャラクターたちのスキンシップよって浮かび上がる男女の距離感にあるんじゃないかというところに至ったのでそれについてあれこれ書いてみようかなと。

まず顕著なのはキョロがしおんさんの髪をすく場面。キョロが彼女の髪の乱れを意識するところから、しおんがブラッシングを受け入れ、そして二人の間に緊張感が漂いつつも、お茶が入って解放されるという流れ。
異性に髪を触らせるというのは、女性に特別な意味のあることじゃないかと思うわけですが、それを許すくらいには親しい一方で、実際に触っている間はお互いに緊張を覚えるという描写に、妙な生々しさがありました。
キョロのブラッシングは妹や恵に対しても繰り返され、それぞれが頬を赤らめたり吐息を漏らしたりと徐々に反応が強くなって、それももちろんエロかったりするものの、やはり要となるのは、髪を触らせることで表現されるそれぞれの微妙な距離感を見せることにあるんじゃないかなと。
また部長が素足でキョロにマッサージをするあたりは、キョロと部長の親密さがほかのキャラクターとは違う形であることをうかがわせていたり。

何というかこの距離感はエロティシズムとでも言えばいいんですかね。直球なエロではなくて、ちょっと遠回し感が漂っているという意味でのエロティシズム。接触を抑制し微妙な距離感を意識させることで、まるで女の子のぬくもりがほのかに感じられるかのような表現で、映像では伝わらないはずのものを見る側に伝える優れた演出となっておりました。
「スーパーキョロ」によって、どちらかと言えばキョロが受身のGJ部内の関係に それとは逆の方向性が画されていることを浮かび上がらせるあたりも面白く。

まとめると、やっぱりユルさが売りの作品でも、ホントにただユルいだけじゃダレまくって見てられないわけですよ。ストーリーらしいストーリーがなくても、というかむしろないからこそ、二十数分の間、画面に意識を向けるためには話の中での緩急が必要となるわけで。この作品では濃いめのスキンシップを描き、それによって意識される男女の距離感によって緩急の元となる緊張を生み出しているように思いました。