「AURA 〜魔竜院光牙最後の闘い〜 」と「HK 変態仮面」を見てきた

まずAURA。中二病を扱った作品と言うことで封切り前からアレに似ているなんて噂が耳に入ってきたりしてましたが、こちらは原作の刊行が2008年なので、むしろそれ系としてはかなり早い時期の作品になるようで。
内容的にも現役中二病のヒロインと元中二病の主人公が出会って惹かれ合う、みたいな感じなわけですが、ヒロインが露骨に奇異の目にさらされた上に敵意を向けられイジメを受けたり、主人公も過去にそれ絡みでイジメを受けたり、家庭崩壊を経験していたりと、類似の作品とは異なり痛々しさが前面に出ている印象。イジめる側が「制服を着用しないのは校則違反」などと正論で責めてくるあたりも、「特別な自分」が実はただ単にルールから外れた存在であることを突きつけているようでした。
主人公が過去に同じ病を患った者としてヒロインを受け入れ助けながらも、その過去のために彼女を拒絶することになるのは、現実を受け入れたが故の弱さであるわけですが、その彼がクライマックスでその過去を全校生徒たちの前でさらけ出し、狭量な現実に対する恨みをぶちまけながらも、それでも折り合いをつけて生きていくことを訴える姿は格好悪くも格好良くて謎の感動がこみ上げてきましたよ。
中二病という特殊な題材を扱っているものの、現実世界におけるちっぽけな自分を受け入れようとあがく二人の姿は、そういう特殊な方向に行かなかった人たちの共感も得られるんじゃないかと思われるところ。自分も封印したはずの記憶が漏れ出しそうになりつつも、現実と向き合うことを選んだ二人を応援してあげたくなりました。
 

で、遠出したついでに「HK 変態仮面」も見てきたんだけど、こちらはチープすぎくだらなすぎて笑うしかないというB級感あふれる作品。
唐突感アリアリな展開だったり、見るからに安っぽいCGだったり、校舎の上からジャンプ→次の瞬間に着地みたいな、カット割りで危険なアクションを誤魔化す手法だったりと、今時朝のスーパーヒーロータイムでももっとちゃんとしてるだろと言いたくなるような作りなのに、変態仮面があのコスチュームでポーズを決めるだけで笑ってしまうという。
終盤にニセ変態仮面ってのが登場して、ある意味本物を上回る能力があるんだけど、それを表現する役者さんの力演がインパクト大。で、本家とニセの決着の前に、その能力の強さについて種明かし的なものがあるんですが、あまりのくだらなさに劇場で見ていた人が一斉に噴き出したりして楽しかったですよ。

そういえばこっちも本当の自分をさらけ出す話だったなぁ、などと思いつつ、こんな作品が生まれ受け入れられるんだから、現実だってそんなに悪いモンじゃないよなどとAURAの二人にも言ってあげたくなってみたり。