『絶対少年』 第12話「猫おどりの空に舞う」

冒頭の地滑りの作画がなかなか迫力がありましたな。
約束どおり向こう側へ行こうとするわっくんと歩に、ものすごい勢いでダメ出しする美玖がカッコよかった。約束と言っても10年前に約束を破ったという負い目と祭の参加者の命を救う代償という、歩の弱みに付け込んだ半ば脅迫めいたところがあるわけで、美玖が怒るのも無理もない気がしますが。最後の最後で「ここに居たい」と言うことが出来て、歩もようやく自分の意思を持つまでに成長したというか。意思を決めるとき一瞬美紀の方を見るあたり、彼が他人と積極的に関われるようになったことを感じさせました。まあ、あそこまでして歩を手に入れようとしたわっくんの気持ちを考えるとちょっと複雑なんですが、最後に田菜を去る歩を見送りに来たりして、わっくんはわっくんで住む世界が違うことを納得したんでしょう。
今回で田菜編が終わりということで他の登場人物についてもいろいろと一段落。亮介が須河原アナと美紀に河童の存在を肯定してもらえたり、美玖が普通の女の子に戻ったり、美紀と潮音がお互いがお互いを嫌っていることを確認して逆に仲良くなりそうだったり。一方で妖精の存在が人々の知るところとなって、わっくんの姿が美紀や須河原アナにも見えるようになるといった気になる描写も。天文台のじいさんも「世界の皮膜がほころびた」という意味の発言をしていたし、妖精関係については次の横浜編が本番といったところでしょうか。結局わっくんが何者なのかも明かされなかったしね。
これで田菜の住人たちともお別れかと思うと少し残念な気もするけど、引き続き歩が出てきたり、深山三姉妹の長女が横浜在住だったりと田菜編との繋がりもいろいろとある様子。ちょっとだけ出てきた次の主人公らしき女の子も目つきが悪くてなんかやらかしてくれそうだし、オカカ婆が何故か横浜に居てしかもボロボロだったり、歩と美紀の関係の進行状況も気になるしで、これからも目が離せませんな。