『絶対少年』 第16話「目に見えない巨大な何か」

冒頭の5分くらい人物が全く出てこないで、背景だけを延々と流すだけという大胆な構成で驚いたり。それでも引き込まれてしまうのは、電話での歩と美紀の会話が面白いからですかね。いきなりのバスタオル一枚発言で視聴者の気持ちをガッツリ掴んでから、マテリアルフェアリーの話に持って行って物語の核心に迫るという。猫踊りの夜を特別な出来事としてそっとしておきたい美紀に対して、2年が過ぎた今でもフェアリーのことを明らかにしようとしている歩との意識の違いが明らかになったことが、ストーリー上のポイントかな。とはいえ「風邪ひくよ」とか「都会は危ないから気をつけてね」あたりの台詞にお互いを大切に思っていることが伝わってきて、この2年間で二人の関係が深まったことを感じさせますな。なんかムズムズしてきますが。
歩と美紀だけでなく登場人物の会話がほとんど電話を通していたのが気になったり。直接会話したのは、須河原とおはるさんくらいか。ドッシルとシッシンもなんかピカピカやってたけど歩には通じてないみたいだし、オカカ婆にいたっては食うだけ食ってさっさと出て行っちゃうし。
須河原とケーブルTVのPD、堂丸との会話では、妖精に寒色系と暖色系の2種類あることとそれぞれに対して人々が持っている印象が横浜と田菜では異なっていることが明らかに。
須河原と正樹の会話では、正樹がフェアリーの存在を証明するのに協力する理由が語られるわけですが、彼がその後に理絵子と希紗に送ったメールのことを考えると、何の為に証明するのか本人もよく分かってないみたいだし、結局のところ理絵子の気を引きたいだけなような。
希紗からブンちゃんのことで相談を受け、いつもどおりアドバイスを与える成基も、電話切ったあとにため息をついたりして、それが負担になってそうな雰囲気も感じられたり。
あとは、須河原の部屋が汚・・・もとい生活感にあふれていたり、PCのデスクトップがショートカットだらけだったりと、持ち主の性格を強く感じさせるのも面白かったですな。ぬいぐるみいっぱいで女の子女の子した感じの理絵子の部屋とか、将棋盤が真ん中に置いてある成基の部屋とか、とにかくカオスな希紗の部屋とか、他の登場人物の部屋もそれぞれのキャラを反映していて、よく考えられてるなと感心させられます。正樹の部屋がまだ出てきてないけど、どんな感じですかね。やっぱゲームだらけなんかな?
ラストで歩がオカカ婆の足跡を追う場面が印象的。足跡が途中で消えちゃうのは、正体が明らかになりつつあるように思えるマテリアルフェアリーが、実のところ未だ多くの謎に包まれていることを暗示してるんでしょうか。
・・・しかし、次回予告の方が現実だったとはw。先週この予告だったら、次の「うる星やつら」に上手くハマってたのに、ちょっともったいないやね。