絶対少年 第26話「頼りなく豊かな冬の終わり」

結局のところフェアリーたちの正体はハッキリとしないままでしたな。光と影、人間の感情の陰と陽の具現化、付喪神等々、いろんな解釈があったけど、勝手に現れて勝手に消えてと、最後まで人間の都合とは無関係な出来事だったのが印象的でした。とはいえ、それに関わった横浜組の4人には確実に何かを残していったわけで、それぞれ少しずつ大人になったのでしょう。ずっと鬱状態だった希紗が最後に笑顔を見せてくれて、見続けて来て良かったなと思いましたよ。制服が致命的に似合ってないのが、ちょっとアレだったけど、理絵子のサポートでこれから改善されていくということで。
最終回なのに派手なアクションがあるわけでもなく、大半が会話だけで進むわけですが、並行して交わされる三組の会話がテンポが良く切り替わって飽きを感じませんでした。作画的にも、ここのところご無沙汰だった足へのフェティッシュなこだわりが復活。入浴シーンというオマケまであって眼福でありました。
田菜と横浜、二つの場所を舞台に物語が展開されたわけですが、個人的には田菜編の方が面白かったかなと。田舎町の夏という舞台が横浜に比べて魅力的だったし、猫おどりの夜に何かが起こりそうという雰囲気が物語を牽引してくれて、マッタリしているのに不思議な緊張感があったので。横浜編でも上空の巨大物体が降りてくるというのがあったけど、いつどうなるというのがよく分からないので、猫おどりの時ほどの緊張感が出ませんでしたな。まあ、どちらの物語でも、不思議な出来事を通して、それぞれの登場人物が、ちょっぴり大人になるという成長物語としては良く出来ていたように思います。
あと、予告(最終回なんで予告じゃないんだけど)の3匹がそれぞれの居場所に帰っていくのが最終回らしくて憎い演出。特に横浜で死んだと思われるオカカ婆が亮介との追いかけっこに戻るのはしんみりとさせられましたよ。
半年間に渡る物語はこれで終わりだけど、もっと見ていたいというか、登場人物たちのその後を知りたいというか、そんな気分にさせられて、けっこう感情移入していた自分に気付いたりして、いつまでも心に残る物語っていうのはこういうのなんだろうな、などと思うのでありました。