蟲師 第十六話「虚繭取り」

密室を住処にするという蟲・ウロの設定と話への絡め方が秀逸。移動の際に虚穴を拡げながら進むということで、文を送るには、それが数年という使用制限を生むのに対して、双子の妹のアヤが送り続けた文は、虚穴が拡がったおかげで姉のイトの元に届き、彼女の身の上を知らせる術になるという。もちろん、ギンコが示したとおり、虚穴は広大で文が届く可能性は万に一つもなくて、それでも届くあたりに人の想いや双子の絆の強さを感じるわけですが。
揺れる茂みにすら、姉の存在を期待してしまうほど追い詰められたアヤが忍びなくて、記憶をなくしたとはいえ、最後にイトが現世に戻ってきたときには、本当によかったとホッとしてしまいましたよ。