おねがいマイメロディ 第50話「センパイを救えたらイイナ!」

柊の為に歌とマイメロに協力するクロミは、お約束のパターンながらもやっぱり熱い展開。ぬいぐるみの身の上では歌に勝てないことをぶつけるあたりから、柊の夢の世界で、それを再確認して更に落ち込んだところで、彼の夢の中に人間形態の自分がいることを知る一連の流れは、クロミのけなげさにこみ上げてくるものが。人間の姿の彼女が夢の世界に残って手を振るところや、本来の姿の彼女も柊の夢の中にいるんだけど、彼女にそれを気付かせないあたりも、叶うことのない恋であることを際立たせてニクイ演出でした。正気に戻った柊が落ちそうになった歌を助ける場面も、いい場面だと思うんだけど、正直クロミ様に食われちゃったかなと。
ついに発動したダークパワーは、人間の悪夢をかなえる力ということで、これまでの悪夢魔法の犠牲者達がまとめて出てきたりして、今までの50話分のカオスを凝縮したような騒動に。一人なら笑ってみてもいられるんだけれども、まとめて出てくるとなると阿鼻叫喚というか百鬼夜行というか、さすがにちょっと怖いかもとか思ったりしながら、久しぶりに登場したキャラ達に懐かしさを感じてみたり。
マイメロ母の格言やクロミノートといったおなじみのネタを軽く流しちゃうあたりも、非常事態であることを感じさせ、ついでにハリネズミくんのクルリンにまでフォローを入れているのには脱帽。歌を柊と会わせるために体を張る小暮や、変身した人たちをまとめる真菜等々、サブキャラにもちゃんと見せ場を用意しているのもいい感じですな。
過去の犠牲者の再登場や柊の夢の世界やクロミの人間化といった、一年かけて積み上げてきたキャラや設定をちゃんと生かしているからこその盛り上がりといった感じで、出来のいい話のときはいつも思うんだけど、このアニメのバカバカしさの裏に隠されたシリーズを通しての設定と構成の緻密さには本当に恐れ入るばかりです。