蟲師 第二十話「筆の海」

ギンコと淡幽は、流浪する者と留まる者、蟲に直接関わる者とそれを聞き記す者と相対する存在であるわけですが、ともに蟲に体を蝕まれながらも、それらを受け入れ愛情にも似た感情を持っているという点では近しい存在なんだなと。そして相反しながらも近くにあるという関係は、人と蟲のそれとも同じわけで、この作品に貫かれているテーマだったりするのかなぁ、などと思ったりしましたよ。
最終回ということで、作画がいつも以上に力が入っていて、逃げ出した蟲が部屋を動き回るところやそれを捕らえて巻物に戻すあたりが凄かったんだけど、ギンコが靴を脱いで家に入る場面も地味ながら全身で動いてる感じで印象的でした。
ホクロを食う蟲の話もいつかやってくれるのかなぁ、とか思ってたら今回で最終回なんですな。全26話のはずだから、例によってフジTVクオリティの放送打ち切りだったりするわけだけど、BSデジタルの方で続きをやるとのことで、過去の例からするとまだマシなんですかね。でも打ち切りといい、ほとんど朝ともいえる時間といい、内容の質の高さの割には、放送面で報われなくて、もったいない作品だなと。