地獄少女 第二十三話「病棟の光」

文字通り白衣の天使といった感じで、恨まれるいわれのないターゲットが地獄に送られるという後味の悪い話。彼女を逆恨みする男を依頼者と思わせておいて、最後にターゲット自身すら面識のないストーカーによる無理心中とわかる展開が、不条理さを際立たせておりました。それぞれ恨む理由はあるんだろうけど、復讐という行為は、結局恨む側の自己満足でしかないということなのか。悪人を地獄に送るというパターンを確立しておいて、それとは対極の人物を出すことで地獄送りに疑念を抱かせ、作品そのものを否定するかのような展開が見事。
夕焼けに染まる埋立地やつぐみの幻覚に出てくる踏切、そして手渡されるリンゴと赤い色が印象的な絵作りで、音的にも繰り返し挿入される飛行機の爆音や踏切の音が緊張感を高めておりました。ストーリー以外の面でも凝った作りで、重要エピソードにふさわしい完成度でしたよ。