Black Lagoon The Second Barrage 第24話「The Gunslingers」

夕闇に立ち続けることを選んだロックと闇に染まることを望んだ雪緒の、最後まで平行線をたどる会話がやるせなく。ロックが言うように別の道はいくらでもあったはずなのに、雪緒が自分を追い込んだ挙句に自害をするという展開が重く、サイコロを自分の意思で投げるという実存主義的な考え方や銀次への思いといった感情が複雑に絡み合って彼女を縛っていたんだろうかと、いろいろと考えさせられる結末となっておりました。
レヴィと銀次の銃対刀という戦いが微妙にトンデモっぽい気がしなくもないけれど、飛んでくる弾丸をまっぷたつに切るという銀次のハッタリの効いた技のおかげでこれもアリかと思えるものに。雪緒の言葉が勝敗の決め手となるのも印象深くて、ただの見世物的なバトルではなく、ロックとレヴィ、雪緒と銀次というそれぞれの生き方のぶつかり合いとして物語との繋がりを強く感じさせるものでした。
銀次とにらみ合いで獣のような悪人ヅラを見せる一方で、自害する雪緒を見るなとロックを気遣ってみせたりと、レヴィの複雑な人間性が垣間見れたのも印象的。
 
・まとめ
双子編に日本編と二期に入ってからは、闇に身を堕とした人物たちの事情が語かれ、彼らが単なる悪人ではなく、そうならざる得なかった人々として主人公であるロックと同様に共感できる人物として描かれていた印象。それだけに彼らが悲惨な結末を迎えるのは辛いものがありましたが、「野蛮な力がすべてを吹き飛ばす」という最終話でのベニーの言葉が象徴するように、社会的な規範から外れた人間達が生み出すエネルギーがこの作品の魅力となっていたように思いますよ。
全体的に作画のレベルが高く、派手なアクションシーンは爽快。タバコを使ってレヴィとロックの心裡的な距離を見せたりと、細かい演出も丁寧で非常に見ごたえのあるシリーズとなっておりました。
日本編でロックの決意が描かれて一応の区切りはついたわけだけれど、原作はまだ続いているみたいだし、ロックとレヴィの関係も気になるして、アニメの方の続編にも期待したいところ。