Kanon 第19話「別れの夜想曲」

あゆと祐一のデレデレな恋愛描写から、森の中の学校の真実を経て、あゆという人物の存在について揺さぶりをかけるサイコサスペンス調の展開に傾斜していくのが凄かったですよ。大筋はゲーム版のあゆルートに忠実な作りなんだけれど、前半の甘々な雰囲気を根底からひっくり返す流れが劇的で、演出力というか映像化してみせる技術の高さには、いつもながらに感心させられました。
冒頭のキスをする場面で、唇を離したあゆが白い息を大量に吐き出すところや、風呂に入って唇の感触を思い出すところが生っぽくてちょっとドキドキする演出。夕食の用意をする場面で、名雪が二人の関係の変化に気付いたことを思わせる視線の演技が秀逸で、そんな彼女に対して声をかける秋子も母親らしい包容力を感じさせるものでした。