ひだまりスケッチ 第12話「サヨナラ・・・うめ先生」

このアニメらしく最終回もまったり日常系。これで終わりという時に新キャラを出してくるのに驚かされるんだけれど、考えてみると沙英の妹については、これまでの話の中で他のキャラの肉親と比べて存在感が強く打ち出されていて、妹の話題に対する沙英の微妙な反応から引っかかりを感じるように演出されていたのでようやく登場という感も。なんとなく姉妹の仲が良くないのを想像していて、実際に口うるさい姉とそれに反発する妹として描かれているんだけれど、会話のちょっとしたニュアンスやサインのエピソードから、甘える妹と邪険に扱いながらもやっぱり放っておけない姉みたいな関係が感じ取れるのが良かったですよ。妹役の釘宮理恵のおなじみの声とは少し違う線の細い作り方もハマっていました。
後半は作中の時間で年末ということで、一年のまとめと最終回としてのまとめっぽいのを重ねる見せ方。ゆのが一話でコラージュの宿題を忘れる伏線が張られているのも細かい仕事で、時系列をシャッフルして見せる作品ならではの面白さが感じられるものとなっておりました。
・まとめ
話的には女子高生の他愛のない日常を描くものでしたが、時系列の入れ換えや奇抜な演出を見せてくれたのが印象的。
時系列の入れ換えについては、先に明らかにされた結末から伏線が見えるのが面白く、またそれによってシリーズを通しての統一感みたいなのが出ていたように思いましたよ。奇抜な演出については動かせない代替案としてのものなんだろうけど、日常的な物語を緻密な作画で見せるのとは、また違った方向での面白さを感じました。後半に入って大人しくなったり明らかに未完成と思われる出来の話があったりしたのが残念でしたが、全体を通しては楽しめるものとなっておりました。
あと余談だけれどBS-iで放送された10話は、話題となった富士山をはじめとして不自然な止め絵にも大幅な修正が入っていて、やっぱりいろいろと間に合ってなかったんだなと。