Darker than BLACK -黒の契約者- 第14話「銀色の夜、こころは水面に揺れることなく…」後編

たしかに温泉には期待をしていたわけで、なかったのが残念といえば残念なんだけれども、今回ばかりはいい意味で期待を裏切られたといったところで、銀の過去を中心に敵対する契約者の人生模様まで織り込んでみせる密度の高い話でしたよ。
銀と敵対する女の契約者の過去は辛く、銀の弾くピアノに乗せて語られるそれは物悲しい雰囲気。敵側の二人のいまわのきわに、かりそめの月が現れる場面は月がないのは云々という女のセリフを受けての贖罪の終わりを告げるもので、絵でみせる演出がカタルシスを与えるものとなっておりました。男の方の契約者のポエムも味わい深いものがありましたよ。
涙を流す銀を見て撃つのをためらう黄や、銀の行く末を彼女自身に決めさせることで人間として扱う黒、そして笑い顔を作る銀と、主人公たちの内面や関係を深めるエピソードとしてもよく出来ていた印象。仮面をかぶった黒を見て怪しいとかいう探偵には、そのまんま過ぎて笑いましたが、黒を批判する彼のストレートな言葉には彼の愚直さが現れていて心を打つものがありましたよ。
バトルは短い時間だったけれど、止まった心臓を自分の能力で動かして蘇生するというアイデアが秀逸。