さよなら絶望先生 第12話「なんたる迷惑である事か!

最終回・・・のはずなんだけれど、いつも通りにネタを繰り広げて更には新キャラまで登場させるというらしくない作り。前回の先生危篤みたいないかにもな引きも完全スルーで、あれはなんだったんだという気がするわけですが、この視聴者を煙に巻くような終わり方が皮肉と諧謔に満ちたこの作品らしいといえばそうなのかも知れず。OPを初期の文字中心のスタイルに戻すのが気の効いた演出で、そこで語られる感謝の言葉が唯一最終回らしさを感じさせるものでしたよ。
話の方は加害妄想に加害者ジャナイ妄想と前半と後半で対照的なネタを見せるのが面白く、切れ味のある小ネタの数々とか三珠のシャレにならないツンデレぶりとかいつも通りの楽しめるもの出来栄え。前半の「貧乏大臣・・・」の連呼が徐々に大きくなってくるあたりが怖かったですよ。新キャラに焦点が当たるせいか最終回なのにレギュラーの女の子たちの出番が少なかったのがちょっと残念でした。
・まとめ
実写の取り込みや背景に仕込まれるネタ、脈絡無く挿入される止め絵や奇抜な色使い等々凝った演出が目を引くものでしたが、基本的に「ぱにぽにだっしゅ!」や「ひだまりスケッチ」といった、これまでにシャフトが関わった作品でやったことの延長線上にあるものでインパクトと言う点ではちょっと弱かった気も。一方で作る側がその演出を手法として確立していることも感じられ、人間や社会のネガティブな面を暴くみたいなことをやってるのに不思議と嫌味のない原作のテイストをアニメで再現できていたように思いました。初期の”読ませる”OPや中期の尾石テイスト全開のシュールなOPも印象深いものでした。
最終回なのに最終回らしくない作りが、いかにも続きを作りますよ的な雰囲気で、脇のキャラが立ったところで終わるのももったいなく原作のストックもたくさんあると思うので続編に期待。独特の映像を更に極めて欲しいところ。