BACCANO! 第10話「チェスワフ・メイエルは不死者の影に怯え策略をめぐらせる」

ラッドとシャーネの戦いが足場が不安定な列車の上であることを踏まえた上での人間離れしたアクションとなっていてかなりの迫力。ラッドの飛んできたナイフを足で踏みつけて止めるというアクションがカッコよくて痺れるものがありましたよ。ナイフで弾丸を弾き飛ばすシャーネもすごいんだけれども、アニメの表現としてはありきたりでインパクトが弱く、彼女自身ここに来て急に父親とテレパシー?で交信して動きだしたりして、キャラクターとしてもちょっと弱い印象でした。
チェスを撃ち殺すラッドはあいかわらず容赦がないわけですが、報酬として提示された金を無視して、余裕のある態度だから殺す、という壊れた人物なりに筋が通った行動となっていて、ここら辺が彼を憎めない人物としている印象。
ヒューイが牢獄で上院議員と対面する場面で、窓から差し込む光が彼の光背となっているのが、多くの信奉者を従えるカリスマ性を強調する演出で、唐突に入るハトの群れにカラスが一羽だけ混じるカットが彼の立場を象徴するものとなっておりました。
列車の話の前日譚にあたる不死の酒を巡る騒動は、アイザックとミリアを狂言回しとして、彼らとフィーロ、そしてエニスが一堂に会する展開となっていよいよ大詰めといったところ。5話のオチになっていたアイザックが死ぬの死なないのという場面に繋がるのも面白い仕掛けでしたよ。レストランでの二人の怪しい動きが素晴らしく、キャラクターによって作画が触発されて、それがまたキャラクターを印象深いものにするという好循環を感じさせるものでした。