BACCANO! 第12話「フィーロとガンドール三兄弟は凶弾に倒れる」

今回も含めて放送が残り2話となって、馬鹿騒ぎの方も最高潮といったところ。30年の不死の酒をめぐる話と翌年の大陸横断鉄道での話が、決着に向けて大きな盛り上がりを見せてくれました。
ラッドとクレアの壊れた人間バトルは、能力的にも壊れっぷりにおいてもクレアの勝利となったわけですが、彼の言葉どおりに列車を降りることになったラッドも、自分の女を救う形になっていて男を見せるものでしたよ。クレアの語る世界が自分のものである理由は、人間原理における観測者を個人にまで突き詰めたようなものになっていて、たしかにそういう捉え方もできるんだろうけれど、堂々と自分を世界の中心に据えるあたりは強者ならではの論理でしょうか。
異常な状況の中でチェスを助けようとするアイザックとミリアの行動が、人間味のあるものとなっていてなんだか安心させられるものが。彼らがロープで空を飛ぶ場面は、ありえないと思いながらも派手な動きが面白く、彼らとクレア、そして黒服のリーダーと対決するジャグジーと、列車で起きている出来事をひとつにまとめるものとなっておりました。
不死の酒をめぐる話の方は、サブタイトルにかかわらずフィーロたちが生きていることは既に見た時間的に後の話でわかっているわけなんだけれども、不死者たちのことのはじまりから続くセラードとマイザー対立と、32年の妹の話に繋がるダラスの運命が、どのように描かれるのかが気になるところ。
セラードの車に轢かれたアイザックとミリアが逆に彼を轢いたり、ロープを使ってラッドを列車から降ろしたクレアが、ロープをつかんでアイザックたちを助けたりと、立場や行動を入れ替えて見せるのが小技の効いた演出。石畳を走る車内でのアイザックとミリアの舌を噛みそうなしゃべりや、爆弾を使ってテンションが上がってるニースがなんだか可愛らしくなっているのが面白かったですよ。
第1話で描かれているように、この後の登場人物たちの動向についてはほとんど分かっているわけですが、にもかかわらず続きが気になる作りになっているのには関心させられます。