ef - a tale of memories. 第8話「clear colour」

目覚めた千尋の変化が衝撃的。蓮治との記憶はおろか自分の身に何が起きたのかさえ覚えていなくて、蓮治に対する想いの強さがそれを招くというのが、無慈悲な展開となっておりました。手を繋ごうとして倒れる瞬間に入るフラッシュバックによって、本当は千尋が蓮治に拒絶されたことを覚えていたことや、その原因が自分の記憶障害にあることを理解した上での行動だったのが分かるようになっているあたりに、またやるせないものがありました。失ったことすら知らない彼女に対して、それを知る蓮治にとっても辛い展開となっているわけですが、これからどのように彼女と関わっていくのか蓮治のがんばりに期待したいところ。
紘を独占しようとする景の行動にはちょっと引くものがあったけれど、自転車の上での京介との会話や彼の撮った映像を見つめる様子は、彼女の変化を予感させる描写。千尋の記憶から蓮治が消える一方で、みやこが紘の中から自分が消えていないことを確認するのは、見ている側としても安心させられるものがありました。封印していた感情を思い出して涙を流すところもいい場面でしたよ。
二つの物語について、今のところ直接の繋がりはないわけだけれども、忘却に対する恐れをはじめとして、内容的に関連を持たせているのが凝った作りになっていて、物語に深みを与えているように思いました。