ef - a tale of memories. 第11話 「ever forever」

蓮治と千尋の最終局面。千尋のことを恐れていたはずの蓮治が、彼女をデートに誘ったりして、いつの間にか受け入れているのがちょっと引っかかったりもしたけれど、二人のラブラブぶりに顔が緩みっぱなしでしたよ。すれ違っていた二人の気持ちがようやく重なったかに思われたところで、それらをすべてなかったことにする千尋の行動が衝撃的で、最後の最後ですべてを忘れてしまう彼女を受け入れる覚悟を蓮治に問う厳しい展開に。
デートの途中、映画を見た後とぬいぐるみが取れなかったことで千尋が泣くところは、12歳で時間が止まっている彼女の幼さを感じさせるわけですが、映画の内容が二人が結ばれるハッピーエンドであることや、ぬいぐるみが彼女の中でペアとして扱われること、そしてこの時点ですでに蓮治との別れを決意していたことを考えると切ないものが。千尋の書いた物語を通して、自分の経験を記録としてしか知ることができないがゆえに、過去の自分と現在の自分との差異、そしてそれが連治を苦しめていることに悩む彼女の内面が垣間見え、自分のすべてとまで言った蓮治との記録を捨てるという行動が納得できるものとなっておりました。千尋と前回のみやこは、それぞれ相手の前から消えようとするわけですが、自分が消えることで相手の記憶からも消えることを願う千尋と相手の記憶に残ることを願うみやこの動機の違いが、丁寧にたたまれた服と部屋に乱雑に散らばった服に対照的に現れてたように思いましたよ。
海辺や学校の屋上から見る夕日、千尋の背後にある巨大な月といった背景が圧倒的。捨てられた日記が風に舞うところは、その行動の意味するところとは裏腹に美しい場面でした。