ARIA The ORIGINATION 第5話「その おもいでのクローバーは…」

灯里たちと比較して自分が特別な才能を持っていないことに落ち込む藍華を描くということで、このアニメにはしてはちょっとシビアな話。同じような立場にあった晃の昔話によって立ち直るわけですが、かつての晃が立ち直るキッカケとなったのが幼いころの藍華の言葉だったというのが、二人の師弟関係に運命的なものがあることを仄めかしているようでしたよ。
夏の一部云々という灯里の恥ずかしいセリフに対して藍華が禁止しようとするところで風が花びらを運んでくるあたりは、街に愛される存在である灯里を印象付ける演出。晃が何かに憑かれたように四葉のクローバーを探す様子と一人で海辺に立つカットを交互に繰り返すところは、置いていかれた彼女の焦りが強く伝わる場面となっていて、バラの花びらを足すことで四葉を作るというのが、彼女の進む道を象徴するようでいい話でしたよ。
正直なところ、晃の少し押しが強いけれど人を惹きつけるキャラクターは、彼女の持って生まれたもので、それが彼女を三大妖精の一人としている要因じゃないかとも思えるんだけれども、そこら辺に触れないのは、どんな才能があるかは分からないという藍華のセリフと対応しているのかなと。