紅 kure-nai 第1話

高校生の主人公が裏社会の怪しげな仕事に手を染めていたり、家のしきたりで外の世界を知らずに育った女の子が出てきたりと、フィクションとしてはよくありつつも、あまり現実味のない設定だったりするわけですが、作品から漂ってくる濃密な空気感みたいなのが尋常ではなく。
日常的な仕草を丁寧に描く作画や描きこまれた背景のおかげもあるんだろうけれど、監督の松尾衝が、これの前に手がけたRED GARDENで試みたのと同じように、プレスコ方式で製作しているのが大きい印象。声を録ってから絵を付けるので、通常のアフレコ方式よりも自然な演技になり、人間の目線にこだわったカメラワークとあいまってこの効果を生んでいるように思いました。強がって泣くのをこらえようとする紫を主人公が抱きしめる場面が出色の出来栄え。
デフォルメされたキャラが踊りながら飛び回るOPやサイケデリックな色使いを見せるEDには、本編との雰囲気のあまりの違いっぷりに驚かされたりもするんだけれども、インパクトのあるものでしたよ。