紅 kure-nai 第3話「偽者の顔」

紫が真九郎の通う学校にやってきてひと騒動。野球部員との通じているようで全然噛み合ってない会話や人体模型に対するリアクションといった紫のズレた感じが楽しいものでしたが、同時に、仕事として預かっていることを強調する真九郎の言葉に傷ついたり、電車の中での理不尽な行いやそれを卑屈にやり過ごすことに怒りを爆発させたりと、彼女の純粋さが描かれる話となっておりました。
夕乃が銀子だけでなく紫からも嫌われたりして、同性からの疎まれぶりがおかしかったりしましたが、紫の実家のことを知っていたりして、単に真九郎にちょっかいをかけるという役割だけでなく、実は物語の本筋に関わる人物であることが明らかに。紫の件で真九郎を問い詰める彼女と弁解する真九郎、そしてそれに割って入ろうとする紫の三人が言い争う場面は、それぞれの言葉が入り乱れてプレスコならではの迫力のある場面でしたよ。叫んでいた紫が真九郎の言葉にショックを受けてしょげていくあたりも秀逸。
真九郎に対する銀子のセリフは、相手に気があるけれどそれを言い出せない幼馴染といったいかにもな雰囲気で、考えてみると真九郎の周りには幼女から年上のお姉さんまで女性ばかりが揃っていて、みんな彼に少なからず好意を寄せているわけですが、主人公がモテまくるみたいな作品にならないあたりが興味深いところ。基本的に真九郎が鈍感なのがあるんだと思いますが、恋愛感情以外の面で登場人物たちを掘り下げようとしているからでしょうか。