ワールド・デストラクション 〜世界撲滅の六人〜 第8話「運び屋には二通りある」

浮上できなくなった潜砂艦の中で生き残る努力を通して、敵対するもの同士や傍観している人物との間に、つかの間の仲間意識が芽生えるということとで、お互いに対する感情の変化が今後の展開に大きな意味を持ってきそうな予感のする話でしたよ。
閉鎖的な空間で人間関係の変化を描く話となっていたわけですが、今にも艦が圧力でつぶされそうという状況にもかかわらず、まったりとしたテンポで話が進むのであまり危機的な雰囲気がなく、また燃料がなくなっただけであきらめてしまうので、万策尽きたと言う割には尽きた感じがしなくて、あまり緊張感がなかったのがもったいなく。
運び屋の人が預かっていたあて先不明のメッセージが、弟からモルテに当てたものだったというのは、出来過ぎとはいえ運命的なつながりを予感させる展開でしたよ。それを聞いた彼女の奮起が、運び屋の人が砂鯨を使った脱出のアイデアを思いつくきっかけとなるあたりも上手い使い方でした。
キリエにちょっと助けられただけで彼のことを意識しはじめるリアには、どんだけ純情なんだよと思ったりもするわけですが、頬を赤らめる様子がなかなか可愛らしくてよろしかったです。