ワールド・デストラクション 〜世界撲滅の六人〜 第9話「秋には二通りある」

人間と獣人が平和に共存する都市を舞台にモルテの旅の目的を捉えなおすエピソード。人間と獣人、弟を失った姉と姉を失った弟といった対比が興味深いものとなっていましたが、終わり際に現れる絵画によって、姉弟の繋がりはそういった立場とは関係のなく強いものであることが示されていましたよ。
モルテが淡々と片づけを手伝う様子は亡き弟へのささやかな贖罪といったところで、キリエの姿を見てあえてそれを続け、3人で旅をしてきたことが楽しいと語る彼に対して返答をしないあたりは、彼女の中で弟への罪の意識が消えていないことを表していた印象。キリエのデストラクトコードへの疑問に対する反応も彼女のかたくなさを感じさせるものとなっていて、平和な都市の穏やかな雰囲気のなかで、モルテの激しい感情をセリフに頼らずに描く緊張感のあるエピソードとなっておりました。
クマは今回の話の進行において何の役にも立っていないわけですが、焼き芋を食べて寝ている姿はなかなかにラブリーでマスコットキャラとしての役割は果たしていましたよ。