RD 潜脳調査室 第24話「地球律」

ハルやソウタをはじめとする人々の努力により、気象分子の散布を止めるのに成功したかと思われたところで、たった一本のボトルによってすべて無に帰すという皮肉な展開。冒頭、ジェニー・円が自分の仕事の成果を前に一人で乾杯するところではじまったときには、いかにもなカッコつけ演出だなぁと思ったりもしましたが、この展開のための伏線だったのには感心しましたよ。
ハルたちが強硬手段に出る根拠が久島のデータくらいしかないので、ちょっと強引な展開のような気がしなくもなく。気象分子のシステムを自分の電脳と繋いでスタンドアロンで運営するというのは、ジェニー・円の他人を信用しないという人間性を象徴するものとなっていましたが、ソウタに若い頃の自分を見いだして手加減をするあたりは、彼の複雑な人間性が垣間見えるものとなっておりました。
過去に核戦争があったという物語の根幹に関わる設定がサラっと出てくるのには驚きましたが、原因はどうであれ地球のバランスが崩れているというのが重要なので特に強調する必要もないのかなと。散布される気象分子とグラスの中のシャンパンの泡を重ねるラストカットが印象的でした。