ひだまりスケッチ×365 まとめ

前のシリーズと同じようにひだまり荘に暮らす4人の日常を描く作りで、一話単位では、朝起きてから夜寝るまでの一日の出来事を描くという基本パターンに沿いつつ、シリーズ全体としては、七夕の次に新年の話が来るような時系列を並べ換えて見せるのも同じ構成でしたよ。
全く進まないヒロのダイエットや、はじめる側から失敗する大家さんの禁煙、そして沙英と仲良くしたいのに素直になれずに近づくことが出来ない夏目と、季節が変わっても同じ行動が繰り返される一方で、ケンカの後でより親密になっているヒロと沙英や、時間がたつにつれてエスカレートしていく宮子のヒロ弄り、そして妹が受験に合格したことを期に変わる彼女と沙英と関係と、全体を通しての描かれる変化していく関係が面白かったですよ。時系列を並び替えて放送することで普通の順番では見逃してしまうような小さな変化が強調されているように思いました。
2期の最終話が1期の第1話の前日になっているあたりは、繰り返される日常を意識しての構成だと思われますが、同じことを繰り返しているように見えても、時間は流れて確実に何かは変わっているといったところでしょうか。
前期にあった芋虫の成長みたいな各話をまたぐネタ(今期でも何回か触れていましたが)が、ちょっと弱かったのが残念なところですが、ゆのの両親がひだまり荘を訪れる話のように、粘土で靴の像を創るといった何気ない行動にまで深い意味が読み取れるような密度の高いエピソードがあったのが印象的。
絵的には物議を醸した富士山みたく危機的な状況を迎えることもなく安定。人物の顔と文字を組み合わせることをはじめとしたアグレッシブな演出も健在で、マッタリとした日常を描きながらも刺激的な映像を見せてくれるのが目が離せないものとなっておりました。