コードギアス 反逆のルルーシュR2 第25話「Re;」

最終回。枝葉の部分では、いろいろと未消化なところもありましたが、ルルーシュという少年が世界を変える物語としてはキチンと完結していましたよ。
世界をまとめるために、あえてルルーシュが悪役を演じていた点については、予想の範囲内といったところで、自らの死をその最終段階とするあたりは、これまでにやってきたことに対してちゃんとけじめをつけて逝った印象。自分から指名してスザクの手にかかるあたりは、ユーフェミアの件における彼の恨みを引き受けることで、人々の憎しみをすべて引き受けるという目的を象徴しているように思いました。
人々をまとめるという意味では、シャルルやシュナイゼルがやろうしていたことと似たものがあるわけですが、彼我の区別なく精神を一緒くたにしようとしたシャルルや、ダモクレスフレイヤの恐怖によって支配しようとしていたシュナイゼルとは、それぞれの意志で歩み寄る点が大きく違うところかなと。異なる考えを持つ人々が話し合って解決するというのは、ここに至るまでのことを考えるとずいぶんと平凡ではあるけれど、現実的で納得のいく結論となっていて、ルルーシュの成長が感じられるものとなっておりました。
ギアス関係の謎については放置状態。まあ能力はあるもののただの少年にすぎないルルーシュが世界を相手にするための道具に過ぎないし、ルルーシュがスザクに殺害を依頼する場面で、希望に似ていると言っているあたり、なぜ存在するかというのはどうでも良くて、手段や象徴としての意味があるんだろうと思いましたよ。
対峙するルルーシュとナナリー、ナイトメアに乗って戦うスザクとカレン、4人の会話がリレーのように繋がるのは、それぞれの立場を明確にする場面。インフレ気味の兵器の撃ち合いから最後は格闘戦で決着というメカバトルも熱いものがありました。
マトリョーシカアタックがかっこよすぎな上に、農園でオレンジを作るというオチをつけてくれるオレンジさんがステキすぎ。彼をはじめとしてエピローグで生き残った人々がそれぞれ平和に暮らしている場面が描かれるのは、ルルーシュのやったことが報われたことを描くものでした。
終盤でC.C.の影が薄くなったのは残念で、共犯者としてもう少しがんばって欲しかったところ。あとC.C.の乗る馬車を操っているのが、ルルーシュじゃないかという説があるようで、たしかに御者の顔がハッキリしないあたりやルルーシュに呼びかけるような彼女のセリフは思わせぶりな演出。ルルーシュがC.C.の不死を受け継いでいた可能性もあるわけで、続編への含みを残したいのかなぁという気もするんだけれども、でも罪を背負いつつ未来を切り開いて死んだのに、実は生きていましたじゃサマにならないので、それはなしで願いたいですよ。まあ、周囲を欺いてしぶとく生き続けるのもルルーシュらしいのかなぁという気もするわけですが。