とらドラ! 第1話「虎と竜」

釘宮理恵がちっこくて暴言を吐きまくるキャラを演じるというところから、反射的に類似のアニメが三つくらい思い出されて、他に似たような役が出来る人材はいないのかという気もするわけですが、そのハマリ具合たるややはりすばらしく代替不可能な領域。主人公に向けられているものとは言え、バカとか犬とか言われてうれしくなってしまう声の持ち主というのもそうはいないわけで。
話的には、お互いに告白できない相手がいる男女が出会い秘密を共有することで接近するということで、少女マンガあたりでよくありそうな設定。窓を開けるとお互いの家を行き来できるくらいの距離というのもコテコテのお約束。
出会い頭にグーで殴ったり木刀を持って忍び込んだりと、ヒロインのキャラクターが屋外を自由に歩かせるには危険なレベルに達しているわけですが、それでも時として可愛らしく見えてしまうのはやっぱり声のおかげが大きいんだろうなと。寝ていれば人形のようであるという主人公のモノローグも効果的だとは思いますが。
初回だけあって、絵がよく動くのが楽しいところ。前髪で目を隠そうとする主人公や人前で鼻を大雑把にかむヒロインと、二人の仕草でキャラクターの違いを印象づける演出も丁寧でしたよ。
広角レンズを意識した構図で無理矢理、画面一枚に収められる主人公の家の居間の全景と、カメラを左右に大きく振ることでようやく全体が明らかになるヒロインの家のダイニングキッチンと生活する場所から両者の生活の違いを印象づけるのは良い演出でした。