とらドラ! 第8話「だれのため」

大河と亜美の水泳対決を通して、竜児に対する大河の微妙な意識の変化が描かれる話。
雨の市民プールでの、竜児を意識しはじめている大河とそれを理解できないでいる竜児の会話が味わい深く。大河が整理のつかない自分の感情を例によって怒りで表現するわけですが、そうやって竜児に感情をぶつけること自体、すでに彼に甘えているようにも思えてみたり。
いきなり反則をかましたりして、勝つために手段を選ばない大河のキレっぷりにはシビれつつも、竜児を助けるために試合を投げ、自分の物宣言をするあたりは、彼女の気持ちがストレートに出ている場面。亜美との試合に負けたけども、竜児を賭けての勝負には勝ったいったところでしょうか。
チケットを渡したあとに見守るような視線を向ける北村や、突然現れて大河をまかせると言うみのり、そして嫌っているわけではないと助言する母親と、周りの人物たちは気づいていて応援もしてくれているのに、本人だけが気づいていないという状況がもどかしくも面白いところ。自販機前で亜美が、大河のことをからかいような感じで声をかけながらも、その後に意味ありげな視線を送るのも気になるところ。
鈍感な竜児は気づいていないものとして話を進めながらも、視聴者としては周囲の人物たちと一緒に二人を見守りたくなるような仕掛けが施されている印象。見ながらついついやきもきしてしまったりして、良く出来てるなぁと感心させられます。