とらドラ! 第12話「大橋高校文化祭【中編】」

プロレスショーが成功しクラスが盛り上がる中、大河の父親を巡ってメインの登場人物たちの人間関係が大きく変化するという状況。
父親の話をする大河は幸せそうで、二人を仲直りさせるという竜児の判断が正しかったように思われるわけですが、それを知ったみのりのキレ方が尋常ではなく。竜児の知らない大河と父親との過去を、彼女が知っているからこその反応なんだろうけれども、それが原因で竜児と言い争いになるということで、盛り上がる文化祭に不穏な空気を招いていましたよ。
母親の何気ない一言に対しても過剰に反応したりして、竜児の父親という存在に対する幻想はかなり大きなモノがある様子。大河の引っ越しが決まったことについても、自分に言い聞かせるようなモノローグが入るあたりも引っかかるところ。亜美が竜児にフォローを入れるあたりは、竜児のセリフにあるように彼女の立ち位置の変化を印象づける場面で、彼の少し先を行く云々のセリフも意味深なものがありました。大河との約束をすっぽかす父親は、みのりの言う酷い父親としての一面が現れつつあるようで、ケータイを何度も確認して待ちわびる大河が切ないですよ。
父親の登場が大河を良い方向に導くかと思わせながらも、思わぬ方向へと物語が進もうとしているのが気になるところで、大河と父親の過去と不穏な予感をもたらす父親による約束の反故、竜児が自分に父親がいないことから大河たちに理想を父子像を見いだそうとしている問題に、そこから来る大河との関係の変化、そして彼とみのりの関係の悪化に、みのりがあそこまで大河に肩入れする理由と、複雑に入り組んだ問題が提示される話となっておりました。見ている側としてもストレスを感じてしまう展開となっているわけですが、これらの問題をどのように解決してくれるのかに期待。

プロレスショーはチープな作りで、セリフが棒読みだったり噛み噛みだったり、アクションを決めるところで補助が入ったりといかにも素人がやってます的な雰囲気が面白いところ。赤い糸のくだりでの先生の壊れっぷりが凄いことになってて、重めな展開の中で笑いを取る場面となっておりました。
プロレスのアクションと、クレープを持った大河がテンパるところがよく動いていていい仕事でしたよ。