宇宙をかける少女 第1話「孤高の魂」

最近流行っているやり方で類型化するならば、ある日突然現れた男の子の中に主人公が同居する(ことになりそうな)アニメ、といったところだけれども、良く出来た一話で楽しく見ることができましたよ。
人類が宇宙で生活する未来を舞台に女の子の成長を描くというのはありがちではありますが、その相方として登場する人工知能インパクトがありましたよ。スペースコロニーという巨大な体を持ちながら、自意識過剰なヒキコモリ気質なあたりに妙に親近感を抱かせるキャラとなっていて、オタクが自己を投影しやすいキャラクターとなっておりました。福山潤を持ってくるキャスティングのハマリ具合も絶妙なものが。
話的には、主人公である秋葉という人物や彼女を取り巻く人間関係、そして舞台の大まかな説明しつつ、物語の中心となるレオパルドに遭遇するまでを、高い密度で見せるスピード感のある構成。アバンタイトルでの、ロボットに自動車を運転させつつ道を外れたら、そのまま宇宙空間へ出られるという一連の場面は、作品の舞台がどういう時代であるかを、短い時間で理解させる演出として秀逸。
CGによるメカは、かなりの作り込みで見応えのある出来映え。画面を彩る女の子たちのカラフルな髪や瞳が見た見目麗しく、最近はリアリティ重視のせいか、ここまで派手なのは少なくなったけれども、これはこれでいいもんだなと再確認。デブリを調査する人が、メカを乗り換える時に露出度の高い衣装に着替えたりするあたりは良いサービスで、見えないながらも穿いてない感あふれるスカート周りや秋葉の妹が汗をかくくだりは、フェティッシュな趣きのある描写となっていてよろしかったですよ。黄金銃を握れ云々のやりとりは狙いすぎとか思いながらも笑ってしまったり。
人間の女の子が知性のある機械と出会って交流を持つ、という点でアイドルマスター XENOGLOSSIAを思い出させたりもするわけですが、しゃべらないという挑戦的な設定を持ち込んだもののそれを使いこなかった印象のあるゼノグラと比べると、こちらは普通にしゃべれるだけでなく、やたらと饒舌になっているあたり分かりやすくなっているように思いましたよ。
登場人物たち舞台の設定が魅力的で、過去の遺物が現れるという物語の核心となる謎も興味を惹かれるところ。映像的なクオリティも高く、続きに期待を持たせてくれる第1話となっておりました。