とらドラ! 第15話「星は、遠く」

生徒会長選挙を直前に控えた北村に起きた異変を通して、メインの登場人物たちを掘り下げていく話。
頭を金髪に染めるという、いかにも形だけグレてみました的なところが、ズレているわけですが、優等生である彼にそこまでさせる理由が気になりますよ。生徒会長になりたくないというのが表向きの理由のようですが、その裏には現生徒会長とのことで何かありそうな予感。
そんな彼を突き放した亜美のリアクションは冷たいようにも思えるけれども、実乃梨の言葉にあるように、少し大人の立場からの目線といったところ。とはいえ、突き放しただけでは問題は解決しないわけで、彼女自身はどういう行動に出るのかなと。
北村の家に向かう途中の竜児との会話は、実乃梨の本心が垣間見える場面。普段はハイテンションなノリで隠してるせいでよく分からず、本心の見せたら見せたで、何か抱え込んでいそうだけれども、やっぱりよく分からないという。大河の父親に対する反応にも驚きましたが、今回のセリフによってさらに裏の面が強調された印象。珍しく本音をのぞかせるということで、とりあえず竜二に対しては心を開きつつあるようですが、彼の方はそんな彼女をどう受け止めることになるのか気になるところ。
家出した北村と過ごすことで、大河が彼との距離を縮めることになるものの、無防備な寝顔に自分だけが舞い上がっていることに気づかされるのは、見てる側の心も疼く展開。大河が泣くところに凶暴な言動に隠された彼女の純情な一面が描かれているわけですが、その直後に、彼女が北村を救うために取った行動が極端過ぎて笑ってしまったり。
持って行き場がなくて空回りする衝動みたいなものに恥ずかしさを覚えながらも共感しつつ、気になる相手との距離を手探りで進めるような瑞々しい感情が描かれるあたりは、青春ドラマとしてよくできているなぁと改めて感心。
当面は大河の行動が北村をどのように動かすのかが見所といったところ。北村が生徒会長になりたくない理由が明らかになることで、大河自身が傷つく結末となりそうな予感がするわけですが。
演出的には、大河と竜児が買い出しに出るところで、竜児が大河の後ろに彼女の後押しをするかのように立っている場面が印象的でした。